ー屋根にひび割れが生じたらどうすれば良い？適切な対策を徹底解説ー

 

屋根材のひび割れは放置してはいけない理由をご存じでしょうか。

屋根材のひび割れを放置すると、耐久性や耐水性の効果を弱めてしまうからです。

早期発見や早期補修がひび割れ対策として重要です。

今回は、屋根のひび割れの対策を考えてみましょう。

 

 

屋根のひび割れを放置する危険性

屋根のひび割れを放置してはいけないのは、なぜなのでしょうか。

まず、ひび割れを放置すると、雨水が侵入するようになります。

雨水は内部の木材部分を腐らせ、強度を弱めてしまい、雨漏りの原因に。

すると、屋根だけでなく壁にも水分が侵入してしまうでしょう。

 

木材部分の腐食に加えて、カビの発生にも繋がります。

カビの種類によっては、アレルギー症状を発症させるなど人体に悪影響を及ぼす可能性もあり、危険です。

 

建物全体が劣化するのを防ぐだけでなく、健康的で快適な暮らしを守るためにも、屋根のひび割れは早急に対策を講じることが重要です。

 

 

屋根がひび割れる原因

屋根はなぜひび割れてしまうのでしょうか。

原因はさまざまですが、大きな原因を二つ紹介します。

 

 

強い紫外線

紫外線が屋根の塗料に当たると「ラジカル」という物質が生成されます。

そのラジカルが大気中の酸素と結合すると、今度は「過酸化物」という物質ができ、過酸化物は不安定な性質で分子切断が発生するため、劣化につながるのです。

 

 

防水効果の低下

屋根には防水効果が施されていますが、経年によって徐々に防水効果が薄れてしまいます。

防水効果が低下した屋根に水分が侵入し、内部で水分が凍り膨張して屋根材を割ってしまうということは、寒冷地では少なくありません。

 

 

屋根のひび割れ対策5つ

屋根のひび割れには、どのような対策が有効なのでしょうか。

この章では、ひび割れ対策には、主に以下の4つが挙げられます

 

1.屋根を点検する

2.屋根材を交換する

3.新たな屋根材を上から被せる

4.適切な屋根材を選択する

5.屋根の塗装を行う

 

次から一つずつ詳しく見てみましょう。

 

 

1.屋根の点検をする

屋根を定期的に点検をすれば、事前にひび割れや損傷の兆候を把握でき、早めに対策を講じられます。

屋根は目視しにくい箇所ですので、点検は専門の業者に依頼するのが良作です。

ひび割れの対策方法のほか、点検の頻度も提案してもらえるでしょう。

 

 

2.屋根材を交換する

屋根のひび割れには、屋根材の交換が非常に有効です。

 

雨風や紫外線など、外部からの刺激に晒されている屋根は、建物のなかでもひび割れが生じやすい箇所です。

 

ひび割れを放置すると、耐水性の低下など、建物に悪影響を及ぼすリスクがあります。

ひび割れた屋根材を交換することで、建物の耐久性が高まるでしょう。

 

 

3.新たな屋根材を上から被せる

「カバー工法」と呼ばれる方法で、既存の屋根を撤去せずに新しい屋根材を被せる方法です。

先に紹介した屋根材の交換よりも少ない費用で施工可能ですが、屋根が重くなり、耐震性が落ちる可能性があります。

 

 

4.適切な屋根材を選択する

屋根材を交換したりカバー工法で施工したりするなら、適切な素材選びも重要です。

地域の気候や建物構造に合わせて、耐久性のある屋根材を選びましょう。

たとえば、台風が多い地域の家なら、強風で飛ばされる恐れがある瓦は避けた方が安心です。

一方、豪雪地帯なら金属屋根など水分が侵入しにくい素材が適しています。

 

 

5.屋根の塗装を行う

屋根の塗装も、ひび割れ対策として効果的です。

塗膜は紫外線から屋根を守ってくれ、劣化を防いでくれます。

屋根の交換よりも手間も費用もかからないため、気軽にできるのではないでしょうか。

 

ただし、大きなひび割れが見られるなど損傷が大きいと、塗装では防げない場合があります。

その場合は、屋根材を交換することになるでしょう。

 

 

屋根材の耐用年数はどのくらい？

屋根材には寿命があり、耐用年数が経過しているとひび割れが生じやすくなります。

事前にひび割れの兆候をチェックし、補修するなどして対処すれば、建物が大きなダメージを受けずにすむでしょう。

 

では、屋根材の耐用年数はどのくらいなのでしょうか。

一般的な屋根材の種類ごとに耐用年数をまとめました。

 

【屋根材の耐用年数の目安】

スレート屋根 ：30年

ガルバリウム鋼：30～40年

トタン屋根：20～30年

和瓦：30～40

セメント瓦：30年

 

こうしてみると、どの屋根材も耐用年数は数十年にもなることがわかります。

しかし、耐用年数を迎えるまで何もしなくて良いというものではありません。

定期的な点検やメンテナンスを行うことで、ひび割れを早期に発見し修復できます。

その結果、建物自体の耐久性を高めてくれるでしょう。

 

推進するメンテナンス頻度は次の通りです。

 

【屋根材のメンテナンス周期】

スレート屋根：5年に1回

ガルバリウム鋼板：15年に1回

トタン屋根：10年に1回

和瓦：15年に1回

セメント瓦：10年に1回

 

 

屋根のひび割れが発生したらリフォームの検討を

屋根のひび割れが発生したら、屋根のリフォームを検討しましょう。

屋根のリフォームをDIYするという方もいらっしゃいますが、専門的な知識や技術が必要なため、専門の業者にまかせるのがおすすめです。

適した屋根材や施工方法を提案して、質の高い工事をしてくれるでしょう。

 

リフォーム時にはひび割れを補修するだけでなく、断熱材を導入するなど機能性を高めるのも手です。

より快適な住まいが手に入ります。

 

 

屋根のリフォームはどこに依頼する？

屋根のリフォームは、板金工事を手がけている業者やリフォーム会社が対応してくれます。

その際、複数の業者に問い合わせたり見積もりを取ったりするなどして、比較することが重要です。

 

業者の対応や見積もり内容を見て、信頼できる業者に依頼しましょう。

 

対応に誠実さが見られなかったり、見積もり内容が不明瞭だったりする場合は、注意が必要です。

なぜなら、悪質な業者によるトラブルが度々発生しているためです。

よって、不明点は施工を依頼する前に明確にするなどして、不安材料を潰しておくのがおすすめです。

 

 

まとめ

屋根のひび割れの放置は、建物の耐久性を著しく低下させてしまうばかりか、健康にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

よって、屋根のひび割れの早期発見や修復は、快適な住まいを守るために必要不可欠だといえるでしょう。

 

「新築してから数十年経過して、一度も屋根をメンテナンスしていない」

「大雨のときに、雨漏りが生じた」

…など、心当たりがある場合は、一度屋根を点検してみてはいかがでしょうか。