ー棟板金の役割は?劣化による影響と補修方法について解説ー
自宅の屋根に隙間や浮いている部分があったら、その原因は棟板金の劣化かもしれません。棟板金とは、屋根の頂点部分にある金属製の板金のことを指します。
屋根と屋根をつなぐ接合部分にあるため、屋根の要ともいえる部分です。雨や風などからの水の浸食を防ぎ、中にある木材などを腐食しにくくするなど、重要な役割を担っています。
この記事では、棟板金が担っている重要な役割や棟板金が劣化するとどのような影響があるのか、また棟板金の補修方法とメンテナンス費用などを分かりやすく解説していきます。
屋根の要「棟板金」の重要な役割とは
棟板金とは、屋根の頂点部分にある金属製の板金でできた部分のことです。屋根は構造上、複数の板を重ね合わせています。下の板に上の板を重ねることでつなぎ目が段違い状になり、雨水などが侵入しないような構造になっているのです。
しかし、頂点部分には必ずつなぎ目があり、雨水などの水が侵入しやすくなっています。屋根のつなぎ目部分からの雨水などの侵入を防ぐためには、棟板金が必要です。雨水などが入らないように棟板金で蓋をすることによって、中の木材などの腐食を防ぎます。
屋根のつなぎ目部分には、貫板(ぬきいた)という木材を使用します。この木材と棟板金をしっかりとビスや釘などで固定することで屋根の強度が上がり、安定性をもたらします。しっかりと固定すれば、強風が吹いても安心して過ごせる頑丈な屋根になるのです。
また、棟板金の役割は雨風や紫外線から身を守るだけではありません。外観の維持も棟板金の重要な役割です。棟板金があることで屋根の外観のバランスがよくなり、美しい屋根になります。つまり、棟板金がきちんと施工されていないと家全体のバランスが悪くなります。
このように棟板金は、屋根工事において非常に重要な役割を担っているといえるでしょう。
棟板金の劣化による影響とその原因
では、どうすれば棟板金の劣化に気づくことができるのでしょうか。棟板金は屋根の頂点部分にあるため気軽に近づくことができず、劣化にも気づきにくい場所です。
棟板金の劣化には、以下の3つのサインがあります。
・棟板金と屋根の間に隙間があり、遠目からでも浮いているように見える
・棟板金と屋根を固定しているビスや釘が腐食し、抜けている
・棟板金が風などに煽られ、めくれあがっている
屋根は家の中でもっとも雨風や紫外線の影響を受けやすい場所で、ほかの部分に比べて劣化しやすい場所でもあります。
では、棟板金が劣化するとどのようなリスクがあるのでしょうか。代表的なものを3つ説明します。
1.雨漏りによる木材の腐食の危険生
棟板金が浮いて隙間ができてしまうと、そこから雨水などが入って雨漏りの原因となります。水が入ってくると屋根の中にある貫板などの木材が腐食してしまう可能性が高くなり、さらなる劣化や家の老朽化につながります。
2.棟板金の浮きや剥がれによる腐食
棟板金が剝がれてしまうと中にある木材があらわになり、雨や風の影響を受けてしまいます。木材が雨風に晒されると腐食がすすみ、棟板金の下にある貫板だけでなく、屋根全体の木材が腐食してしまう可能性があります。そうなると、屋根全体の交換になるなど工事が大規模になってしまいます。
3.棟板金の飛散による二次被害
棟板金が剝がれていることに気づかずに放置していると、台風や強風などで飛散する可能性があります。棟板金は金属製の板金であるため、飛散するととても危険です。飛散した棟板金が通行人などに当たると怪我につながり、場合によっては命の危険もあるでしょう。棟板金が浮いたり剝がれたりしている場合は、早めのメンテナンスが重要です。
棟板金の補修方法とメンテナンス費用
棟板金の補修メンテナンスは、実際どのように行うのでしょうか。ここでは、補修方法と手順、メンテナンス費用などを説明していきます。
棟板金の補修方法は、大きく以下の3つです。
1.釘打コーキング
棟板金と貫板を固定しているビスや釘が抜け、棟板金が浮いてしまっている場合の施工方法です。おもにビスや釘の打ち直しを行い、コーキングで目地の隙間を埋めます。ビスや釘の抜け以外に腐食などがなく、棟板金や貫板を交換する必要のない場合に行います。
費用としては、施工自体は1軒につき5,000~30,000円程度です。しかし、屋根の上での高所作業になるため、プラスで足場設置費用100,000〜150,000円程度がかかります。
2.貫板の交換
棟板金の中にある貫板という木材が腐食してしまい、交換が必要なときに行う施工方法です。貫板が腐食すると屋根と屋根のつなぎ目がしっかりと固定できず、ビスや釘もすぐ抜けてしまいます。そのため、新しい木材に差し替えて棟板金と貫板をビスや釘でしっかりと固定し直し、コーキングで目地の隙間を埋めていきます。
費用としては、1mにつき6,000〜10,000円程度です。貫板を差し替えたm数、もしくは家の屋根の規模に応じて費用が異なります。貫板の交換も屋根の上での高所作業になるため、足場設置費用が100,000〜150,000円程度かかります。
3.棟板金の交換
棟板金の破損がひどく再利用が難しい場合や、台風や強風などで棟板金が飛散してしまった場合の施工方法です。貫板の腐食具合によっては、貫板の交換もあわせて行うことがあります。貫板と棟板金をしっかりとビスや釘などで固定し、最後にコーキングで目地の隙間を埋めます。
棟板金の交換にかかる費用としては、1mにつき7000〜12,000円程度、プラス貫板の状況に応じて貫板の交換費用がかかります。また、屋根の上での高所作業になるため、足場設置費用100,000〜150,000円程度が別途必要です。
まとめ
屋根は家の中でもっとも雨風や紫外線の影響を受けやすい場所です。そのため、劣化や損傷がいち早く現れる場所でもあります。特に頂点部分の棟板金は屋根と屋根のつなぎ目であるため、屋根の要です。隙間や浮きなどがあるとその隙間から水が侵入し、木材などの腐食の原因にもなります。
定期的に屋根を確認し、隙間などの早期発見に努めることが大切です。隙間や浮きなど屋根のメンテナンスのサインが確認できたら、業者に依頼して早めのメンテナンスを心がけましょう。
大阪市生野区の外壁・屋根工事を請け負う建築板金
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