ー棟板金とは?役割やメンテナンスを怠ったときの危険性も解説ー
「棟板金って何?」「棟板金って屋根の工事のことらしいけどよくわからない…」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
棟板金は屋根の一番高い部分にある板のことです。屋根のてっぺんは雨にさらされやすく、屋根材だけでは雨がしみ込んでしまいます。しかし、屋根材のつなぎ目に棟板金を設置することで、雨漏りを防いでくれます。
このように非常に大切な役割を担っている棟板金は、メンテナンスを怠ってはいけません。腐食や飛び散りなどが発生すれば、大きな被害となる可能性もあるためです。
そこで今回は、棟板金の役割や工事の必要性、工事を依頼する際の注意点について解説します。棟板金の必要性をよく理解して、適切な対応をとるようにしましょう。
棟板金とは
棟板金(むねばんきん)とは、家の棟の部分を板金するということです。しかし、これでは説明が不十分でよくわからない方もいるでしょう。
ここでは、棟板金について詳しく見ていきます。
棟とは
棟(むね)とは、屋根の一番高いところを指します。新築の工事で「棟上げ式(むねあげしき)」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、その「棟」です。上棟式ということもあります。
つまり、もっとも雨風や日光の影響を受けやすい部分だといえます。屋根の面と面とが交わる部分でもあるため、どうしても形状や接合が複雑になりやすい部分です。
板金とは
板金とは、薄い金属板を切る・折る・貼り合わせるなどの加工を施すことです。「棟の部分を金属の板で覆うこと」だと考えれば良いでしょう。
棟板金の役割
棟板金の役割は、雨水の侵入を防ぐことです。棟は屋根の面と面が重なる部分であることから構造が複雑になりやすく、また建物の一番上の部分であるため雨の影響も受けやすい特徴があります。
これらのことから、金属の板でしっかりと覆う必要性があります。棟板金は非常に重要な部分であり、強固かつ錆にも強い材質の金属板が求められます。
2000年代よりも前はトタンが主流でしたが、錆に弱い欠点がありました。一方、最近では錆に強く耐久性もある「ガリバリウム鋼板」が使われることが多くなっています。
棟板金のメンテナンスを怠る危険性
棟板金のメンテナンスを怠ると、どのような危険性があるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
釘抜け
棟は屋根の一番高い部分であることから、雨だけでなく日光の影響も受けやすいとされています。棟の板金は太陽の熱で膨張しますが、夜になると気温が下がるため収縮します。つまり、棟板金は伸びたり縮んだりを繰り返しているということです。
この繰り返しによって、棟板金をとめている釘が抜けてくる現象が起こります。すると、棟板金に隙間ができてしまいます。棟板金の役割は雨水の侵入を防ぐことですから、隙間があっては役割を果たせなくなってしまうのです。
腐食
棟板金に隙間ができると、当然雨水が侵入してきます。そこでまず起こるのが、貫板の腐食です。貫板は棟板金をとめるための部材で「ぬきいた」と読みます。材質は木材ですので水に弱く、腐食しやすいとされています。雨水が侵入すると貫板の腐食が進み、さらに釘が抜けやすい状態になってしまうでしょう。
飛散
次に考えられるのが、棟板金の飛散です。釘が抜けやすい状態になっていますので、棟板金が風で吹き飛ばされてしまいます。棟板金は金属の板で、さらに釘がくっついています。これが吹き飛ばされたら大変危険です。さらに貫板の部分がむき出しになっているため、雨の影響を直接受けることになります。
雨漏り
棟板金が飛ばされてしまえば、雨水の侵入を防ぐ術はありません。やがて雨漏りが起きてしまいます。もし雨漏りとなれば被害は棟板金にとどまらず、修理費用も拡大すると考えられます。このような最悪な状態を避けるために、早めのメンテナンスが非常に大切です。
棟板金リフォームの注意点
棟板金のメンテナンスの重要性は、おわかりいただけたと思います。ここでは、棟板金リフォームにあたっての注意点をお伝えします。
定期的な点検の必要性
棟板金は定期的な点検が必要です。被害は徐々に、そして段階的に拡大していくため、早めに対応すれば被害は小さく、また費用も少なくて済みます。目安としては、釘浮きの点検が10年に1回・棟板金の交換が20年に1回です。ちなみに新築の場合ですと、新しい状態を保つために築7年ほどでの点検が推奨されています。
業者への点検の依頼
屋根は建物の上の部分であり、傾斜もあるため危険な場所です。日頃からの点検が重要だといっても、個人で行うのはおすすめできません。さらに棟板金は屋根の一番上です。最近はDIYをする方も増え、自分で修理したいと思われる方もいるでしょう。
しかし、場所が場所ですので非常に危険です。転落の可能性だけでなく、電柱との距離の問題や隣家への配慮などもあります。ぜひ業者へご依頼ください。
棟板金リフォームの費用
棟板金のリフォームや点検には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
リフォーム費用はまちまち
棟板金の交換費用は、およそ15万円とされています。しかし、屋根の形状や大きさ、また屋根の状態などによって作業工程は変わってきます。そのため、5万円程度で済む場合もあれば、25万円以上かかる場合もあるでしょう。
お住まいの地域によっても相場がありますし、地域によって天候や環境は大きく異なります。たとえば、雪国は雪に対応した屋根の形状になっています。費用が気になる方は、業者に相談し見積もりを出してもらいましょう。
足場の設置
作業時には足場の設置が必要ですが、費用は別料金となります。工事代金に加えて、足場の設置代金が請求されます。つまり、「棟板金の工事代金+足場の設置代金=請求される費用」です。
費用をなるべく安く抑えたい場合には、外壁塗装などとまとめてやってしまうのが良いでしょう。足場の設置費用1回分が節約できるためです。
棟板金業者の選び方
棟板金は、建物を雨水の侵入から防ぐ大切な部分です。しかし、屋根の一番上であることから、なかなか自分では状況が把握できません。この弱点を突いた詐欺の被害も報告されています。
たとえば「釘浮きがある。今すぐ修理しないと大変なことになる」などと、不安を煽る業者です。
詐欺にあわないためには、以下の点に注意しましょう。
・いきなり訪ねてきた人は信用しない
・即決はしない
・知り合いに相談する
・見積もりを複数とる
詐欺業者は不安を煽って即決させようとするため、その場で安易に決断しないようにしましょう。できれば複数の業者の見積もり(相見積もり)をして比較のうえ、ご自身に合った業者に依頼しましょう。
まとめ
今回は、「棟板金」についてお伝えしました。棟板金は雨水の侵入から建物を守るための大切な部分で、メンテナンスが非常に重要となります。とはいえ、屋根の一番上の部分であるため、日頃からの点検は難しいものです。
目安としては新築から7年、また10年に一度は点検すると良いでしょう。もし問題があっても、早めに対応しておけばその分費用もかかりません。
屋根は高所で傾斜もあるため、DIYは避けたほうが無難です。屋根工事の専門業者へご依頼ください。
大阪市生野区の外壁・屋根工事を請け負う建築板金
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